じょばーのーる

米国フロリダ州マイアミのメロディックパンクバンドJobbernowlもBandcampがあるんよ。1992年にDr. Strange Recordsからリリースされた10"がなかなかの傑作なわけだけど、Bandcampではディスコグラフィーとして7"やカセットや未発表曲などを聴けるようにしてくれている(ラスト作であるDr. Strangeの10"はない)。

このバンドはQuitのオリジナルメンバーである(がすぐに脱退した)Omarがベースを弾いてて、またF-Boyz(Fuckboyz, pre-Hickey)でドラムを叩いていたGeorgeがボーカルだったりする。個人的にそのつながりは興味深かった。

いわゆるCruzianなメロディックパンク、ALLやBig Drill Car等が好きな人も聴いてみたらいいのではと思う。

せるふせるふせるふ

先日のLevelheadの記事内でも少し触れたSelfとその関連バンドのいくつかを軽くコメントを添えて視聴先とともに紹介していくコーナー。

 

南米の方ではなくアメリカのサウスカロライナ州の都市の方のコロンビアを拠点に活動していたバンドSelf。セルフ。シンプルで好きな名前だ。1992年頃から1999年まで活動。ぼくが最も思い入れがあるのは1stアルバムの『Codename: Spivey』。というかそれしか持ってなかったし。とにかくよく聴いたな。あと前にも書いたけどサンクスリストがとても参考になったので、そこに載ってるバンドの音源をめっちゃ探したり。自分の手元にあるCDはOff Timeからの再発盤で、何が不満かというと、Three Day Heroからのオリジナル盤にあった歌詞が載っていないこと。

どういうバンドが好きな人にSelfおすすめか。うーん、思い浮かびそうで思い浮かばないような。Face To Faceが引き合いに出されるのをよく見た気がするし、ついさっき見たレビューではさらにGreen DayやZoinks!とかの名前も挙がってた。ちょうどぼくがちゃんと聴いたことのないバンドたちだわ。Face To Faceの1stアルバムもずっと後回しになってる。

ありがたいことにSelfのBandcampには1stアルバムや他のリリース音源が未発表曲も含めてアップされている。疾走感溢れる青臭いメロディック/ポップパンクというイメージだっただけに初期の音源を聴いたらDCハードコア寄りで少し驚いた。でも何より嬉しかったのは2ndアルバムとしてそこに入るはずだった10曲が聴けたことだな。そのうちのいくつかはコンピに収録されていたけど、結局2ndアルバムはリリースされることはなく、その10曲はテープにまとめられて最後のライブで配られたらしい。

 

Sixtensplit(SixTenSplitや6/10 splitという表記も)はSelfのギターボーカルのJohnさん参加のバンド。1998年頃からやってたのかな。ピンボーカルを据えた4人組。Johnさんはギター。Jam RoomというスタジオのエンジニアであるJayさん(Selfのアルバムをプロデュースしている)が、そこで出会った人たちを集めて組んだのが始まりであるらしい。70'sや80'sのポップ/ロックにインスパイアされているとあって、Selfとはまた趣きの異なる渋いメロディックサウンドだけど、Descendents影響下のポップネスというかCruzianなとこも見受けられる。2002年前後にバンドは活動停止、Johnさんは次にDonbravadoというバンドを結成。Sixtensplitは2015年に再結成して何度かライブもしていた。

 

SelfのベースのGarrettさんと同じくドラムのRustyさんがSelf活動中からやっていたバンドInsult To Injury。Garrettさんはベースからギターに持ち替えており、ここでは同じサウスカロライナのAssfactor 4を彷彿とさせるカオティックなハードコアを披露している。Selfとは音楽性がだいぶ違うので意外かもしれないが、GarrettさんがSelfに加入する前にやっていたPremonitionがそもそもカロライナ系のハードコアバンドでAF4とはとても仲が良く頻繁に一緒にライブをしていた。叫びながらテンション高く激走するなかでメロディックでキャッチーなとこもあって非常にかっこいい。AF4好きなら間違いなし。

 

お次のThe Go AheadはGarrettさんとRustyさんがInsult To Injuryの後に組んでいたバンド。The Megameantsのメンバーもいる。短期間のみの活動とのことだが、時期的には2002年前後なのかな?そうなると後述のDade County ResistanceというGarrettさんの別バンドと同時期にやっていたことになる。The Go Aheadに関しては実はつい先日まで存在さえ知らなかったけど、当時未発表だったというアルバムがBandcampに上がってた。1曲目の出だしがLifetimeみたいで驚いたけど、多くの曲で見られる90年代のローカルポップパンクを引きずっているようなクセとショボさが個人的にはとても好き。あとカロライナ周辺のハードコアバンドに通じるカオティックやエモが入った曲もあったりする。メンバーのバンド遍歴とか知らずにこれ聴いたら得体の知れないバンドだと思ってたかも。

 

Garretteさんが2001年に始動させたのがこちらのDade County Resistance。The Go Aheadのメンバー2人の他にGuyana Punch Lineのメンバーも在籍するスリーピース。掴みどころのないThe Go Aheadと比べるとこちらの方はわかりやすく方向性も定まっている。The Get Up KidsやThe Scaries, Alli With An Iなどを思わせる清涼感とやるせなさが同居したようなメロディックパンクで、EPやスプリットを経てフルレングスにて結実するように、パワーポップ/ロックを交えたよりダイナミックで親しみやすいサウンド。このバンドはいつまで活動していたのだろう?以前にも書いたけど、Garrettさんは2008年にLevelheadのメンバーらとLakehurst Is Burningというバンドを結成する。

 

ぼくが知っている限りではこんな感じ。

 

さて、Selfの1998年のインタビューによると、当時Selfは新しいアルバム、それといくつかのバンドによるスプリットCDのリリースを計画していたようだ。前述したように、2ndアルバムは結局は出なかったし、そのスプリットCDもおそらく出てないだろう。インタビューの時点での予定としてはRevolvers, Amish Jihad, 30 Deepなどがそのスプリットに参加することになっていた。

そんな20年も前のインタビューをわざと持ち出し、そこにかこつけて上記3バンドを紹介していくコーナー。

 

1996年から2000年の暮れまで活動していたミズーリ州カンザスシティ(KCMO)のポップパンクバンドRevolvers。昔やっていたディストロで一番初めに入荷して取り扱っていたのがこのバンドの2枚の7インチだったということで思い入れがあったりする(バンド自体はとっくに解散していたが)。トテモナツカシイデス。ぎゅっと胸を締め付けられるような青臭く切ないメロディーのほろ苦いハートブレイクな楽曲の数々。アルバムではカントリータッチも加わり全体を優しさで包み込んだようなより成熟した懐の深いサウンドになっている。

Revolversは2014年から2015年にかけて再結成して数回ライブを行なっている。再結成した理由は旧知の仲であるThe ScariesのMikeさんの結婚パーティーで演奏するため。ちなみにThe Scariesが2009年に来日したときのライブがぼくにとっては最も楽しかったライブのひとつだ。RevolversのギターのMikeさんとベースのChrisさんは2008年よりHipshot Killerというバンドを始動させ現在もやっている。

 

ノースカロライナ州グリーンスボロの30 Deepもまた1990年代中後期にかけて活動していたメロディックパンクバンド。音源を持っていたわけでもなく最近まで曲を聴いたこともなく、ただ名前だけは知っていたという存在なので、今回紹介しているなかでは思い入れが全くない。しかもThirty Seconds Deepというバンドと混同してしまう始末である。すんません。30 DeepはBandcampにリマスターされた音源がアップされていたおかげでようやく聴くことができたのだが、これがなかなかどうしてかっこいい。前出のインタビューにおいてSelfのメンバーから「Fat Recordsタイプのバンドだけど、Fat Recordsのどのバンドよりもずっと良い」と評されている。Dirty Leon's Big Ride Recordsというレーベルからアルバムを出している。このレーベルが例のスプリットCDを出すことになっていたようだ。

 

Amish Jihadノースカロライナ州のチャペルヒルのバンド。元々はUnfound Logicというバンドだったんだけどボーカルが抜けたためインストバンドとしてやっていくことになったそうな。チャペルヒルということでThe Scariesとは同郷。のみならず、ギターのBillさんがスリーピースだったThe Scariesに加入し、その後バンドは飛躍を遂げることになる。本題のAmish Jihadについてはあまり情報がない。前身であるUnfound LogicがDescendents/AllやBig Drill Car直系のごりごりのCruzianメロディックパンクでメタルの影響もあったから、Amish Jihadもその路線のインストナンバーをやっていたと思う。いちおう2004年にアルバムを出しているらしい。視聴先が見当たらないのでUnfound Logicの曲をば。

 

こんな感じで。以上です。

毒友

「湿り気」や「哀愁」といったワードで表現されることが多々あるところのいわゆるUKメロディック。そんなジメついたサウンドと哀愁メロディーで泣かしにかかってくる最高のバンドのひとつReverse。暑すぎるせいか、そんなReverseがすこぶる爽やかに聴こえる。どうなっとんねん。

連日とてもとても暑い。

カナダのモントリオールで活動するPoison FriendsのEP『Devoid Of A Purpose』を聴いた。調べたらChestnut Roadとスプリットを出していたPanic Attackのメンバーが在籍する新しいバンドということだった。同スプリットでBroccoliのカバーやっていたことを思い出す。しかしPoison Friendsの曲を聴いたら頭をよぎってしまうな。暗くて湿った哀愁メロディックパンク。すっきゃ。

夜はやわらいで朝までに涼しくなっている。

 

93-94

特に理由はないけど、手元にあるCDから、前世紀の93年か94年にリリースにされたもので、それがそのバンドのアルバムとしては一作目で、その中で自分の今好きなやつを選んで「#私を構成する9枚」的に並べて撮った一枚がこちらです。前世紀の93年や94年に出たアルバムといっても実際に手に取ったのはもっとずっとあと、つまり今世紀になってからのこと。

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じゃあ今からどうでもいいコメントと、あと好きな曲貼るわ。

Pods - Where I'm Calling From
Lemonheadsをほとんど聴いてこなかった人生。なんでか?なんでや?たぶんいちばん最初に手に取ったアルバムが当時はあんまピンとこーへんかったんや。それがどのアルバムやったかすらもはや思い出せない。それで長らく敬遠してきたけど、去年Lemonheadsのアルバム初期三作を聴いたらとても良かった。特に二作目。初期はEvanさんとBenさんの2人で主に曲を書いてたけど、自分が好きやなと感じるのはだいたいBenさんの楽曲の方である。そんなBenさんも三作目のあとにバンドを脱退してしまう。そのあとは大学生ということで学業に専念するようになるが、弟のJonnoさんに説き伏せられる形で始めたのがこのPods。ところでこのバンドあんま知られていないような気がするけど、なんでや?それはそれとして。こちらは94年にリリースされた最初で最後のアルバム。あとにメンバーの就職や大学入学が控えていたこともあり、バンドの活動停止とともに本作が最後になることは当初から決まっていたらしい。そのため入れられるだけ曲を入れたとのこと。たしかに本作は16曲収録とわりと曲数多めやな。初期LemonheadsおよびBenさんが今やってるVarsity Dragが好きならおそらくこれも気に入るんじゃないかと。実際その2バンドの間をつなぐのがこのPodsでもあるし、スタイル的にも大きく変わるとこはないと思う。パンク/ハードコアはもとよりここではメインストリームのポップスの要素も持ち込まれているらしく、それによって持ち前のメロディーの良さは生かされ、より柔らかみや深みが出ている面もあるけど、個人的にあまり好きじゃない曲も多い。でも1曲目"Promise"や5曲目"Name In Vain"、あと11曲目"New Strings"なんかは極上のメロディックチューンちゃうかな。ブックレットにはPodsが影響を受けたミュージシャンやバンド、はたまた詩人や作家などのリストが載っている。アルバムタイトルの『Where I'm Calling From』もまたRaymond Carverレイモンド・カーヴァー)の短編小説の題名からそのまま拝借したもの。さらにカーヴァーの同短編小説をもろに歌詞に反映した同じく"Where I'm Calling From"という曲が本作の10曲目に収録されている。Jonnoさんも曲を書いてるが、特にBenさんが手掛けた楽曲は、絶望の淵に沈みながらも救われる温かさがあったり、逆にやさしさのなかに悲哀があったりと、まるでカーヴァーの詩や小説のように思えたり。

 

② 2 Line Filler - So Far Lost
何かのきっかけでいわゆる90年代エモーショナルメロディックを掘っていくことになると、その過程で必ず出会うことになる、2 Line Fillerはそんなバンド。「これ最高だから聴いてみろよ」ってことでメロディック狂たちが紹介したりオススメしてたバンドや音源に夢中になっていたあの頃、このバンドの存在感は自分の中でも際立っている。それにしても2018年になって2 Line Fillerが新曲を発表するなんて。びっくりだよね。その曲がこれまためっちゃ2LFなわけで。往年のね。たしかオリジナルメンバーで復活したという話だけど、そうなるとちょうどこの1stアルバム『So Far Lost』のときのラインナップということになる。本作のあとにギターボーカルのMattさん以外のメンバーがみんな抜けちゃうんだよな。せっかくオリジナルのメンバーに戻ったのなら1stアルバムも初期音源と合わせて再発したりせえへんかな。探している人も多いやろうし。かくいう自分もこのCDをゲットするのに苦労した記憶がある。いや実際はそんな苦労したというほどでもないけど、二度ほど僅差のタイミングで買い逃しているというか。このアルバムはBreak Even Pointというイタリアのレーベルから出てるんやけど、自分が探していたときもすでにリリースから10年以上経ってたので当然廃盤で、ネット上においてはヨーロッパのレコ屋とかでごくまれに中古を見かけることがあるという感じだった。あるときどこかのディストロで売られているのを見つけ、それこそ喜び勇んで問い合わせてみたところ、「数日前に日本から注文があって売れちゃった」という回答。一度目がそれで、なんと別の場所での二度目も全く同じだった。このバンドを好きだという人はもちろん日本に限らずいるわけだが、思い出すのはBadger〜The Tie That Bindsをやっていた人と一時期連絡を取り合っていたときに2LFの話題で盛り上がったことがあったな。その人は1stアルバムの歌詞を知りたがってた。歌詞カードをスキャンしたりする環境になかった自分は全ての曲の歌詞を手動で打ち込んで送った。とてもめんどくさかった。ちなみにBadgerとThe Tie That Bindsは2LFが好きな人にもオススメだ。Samiam直系バンド。あと2 Line FillerなのかTwo Line Fillerなのか問題はまた今度。

 

③ Balance - Balance
上でちらっと言及したBreak Even Pointから92年にSlap Of Realityの7インチが出ている。しかしSlap Of Realityの公式サイトではその作品はなかったことにされている。実際、同音源にはボーカルとギターの主要メンバー2名が参加していない。そこで代役を立ててレコーディングしたのはたしかで、そのあとも僅かな期間活動したのか、あるいはすでにバンドは解散していたのか、それはわからない。そしてその7インチに参加していない2人、FrankさんとJoeさんが次に結成したバンドがこのBalanceである。Pink LincolnsのKevinさんや、そのKevinさんとPseudo HeroesやDown By Lawといったバンドで共にすることになるSamさんも当初在籍していた。なお、SamさんはFrankさんとケンカしこのアルバムの前に脱退している(しかしDown By Lawのオーディションを受けるきっかけを作ったのもまたFrankさんとのこと)。Balanceが短命で終わったのち、95年頃に再結成したSlap Of Realityが通算2枚目となるアルバム『Monkeydust』をリリース後に再び解散、FrankさんとJoeさんによる同路線のバンドとしてはそのあとClosure〜The Sophomore Effortへとつながっていくという流れ。しかるにSlap Of Realityの一度目の解散と再結成に挟まれる形のBalanceは、もちろんメンバー構成には違いがあるが、それらの時期をつなぐような音楽性なので、一方が好きならば他方も好きなはず。Samiamをもっと地味にしたようなエモーショナルメロディックで、よく動くベースしかりCruzianなバンドに通じる部分もあったり。そして、長い年月を経て2010年にまたもや再開したSlap Of Reality。現在は新音源が待たれるという状況、なのか?

 

④ Nowhere - Wonder
この作品はミニアルバムとして捉えられるかもしれないので選ぶか一瞬迷ったのだけど、迷ったの一瞬だけ。いちおう8曲入ってるんでアルバムでもええでっしゃろ?というか厳密にアルバムかどうかは今回の企画にとってどうでもええんや!フィンランドにおいてAmazing Tailsと並んでいち早くUSハードコアから影響を受けたグレイトなメロディックサウンドを鳴らしていたバンド。というかAmazing Tailsもくそほどかっこいいよな。NowhereとAmazing Tailsの関係としては同じコンピに一緒に参加しているくらいで特に絡みがあったりつるんだりしていたわけではなかったみたい。さてさて、93年リリースのこの(ミニ)アルバム、ジャケはあれだけど内容はめちゃ良いよ。よりSnuff似のファストメロディックぶりを見せていた以前の2枚の7インチに比べてスピードは抑え気味。それでも充分な疾走感のなかにドラマ性を持たせ、よりメロディーを押し出し泣ける展開へと拍車がかかっている本作の方が自分好み。記憶を辿れば、NowhereはたしかPostcard From Youというサイトで知った覚えがあるけど、当時を思い返すと、「こんなんどっから見つけてくんねん」って思うようなバンドや音源を紹介している個人ホームページを眺めるのがとても好きだったな。あと好きなバンドや音源が自分と同じだとか似ている人がいて、その人がそういったバンドや音源について語ったり感想を述べたりするのを読むのが好きだった。

 

⑤ Gameface - Good
Gamefaceのどの音源から入ったかというと、自分の場合はRevelationからリリースされた3rdアルバムと4thアルバムだった。そこからさかのぼって2ndアルバム、1stアルバムと手に入れ、結局自分が最も気に入ったアルバムはNetwork Soundからの一作目『Good』だった。この初期の塩梅が自分の肌には合っているのかなと。AllにBig Drill CarとCruzian Punk的なものも感じる。そんなことより1st以外のアルバムが手元にない。あるはずの2ndも探したがやはり見つからなかった。断捨離じゃないけど物への執着が薄まったときに手放してしまったようだ。ないならないでいいんやけど、自分が売ったりあげたりした音源の中にはもう一度聴きたいなと思うものも少なくなかったり。でも自分以上に聴いてくれる人の手に渡ったはず。ところでGamefaceを聴くとFarsideを思い出し、Farsideを聴くとGamefaceを思い出すってな具合に、両者の音楽性には相通ずるものを感じる。お互い同じくらいの時期にカリフォルニアのシーンに登場してるし、当時から頻繁にステージを共にする交友関係にあったという。Farsideに関してはGamefaceとは逆にラストアルバムが最も好き。あれも名盤。Gamefaceといえば今年2月に来日ツアーを果たした。でも自分は行ってないのでそれについて書けることもないんやけど。

 

⑥ Stukas - The World According To
かつて自分にはCruzian Punkのおっしょさんが二人いたんや。こちらが勝手にそう思ってただけやけど。そのうちの一人がやっていたディストロで音源を購入して度肝を抜かれたのがStukasとPorcelain Boysだった。そしてMarbleの存在を教えてもらう。そこからCruzian Punkにのめり込んでいくことになる。あれから十余年経った今でもその熱はたびたび再燃する。そういうわけでそのときに買ったStukasの2ndアルバム『Showing Off』にはささやかな思い入れがある。あとになって手に入れた94年リリースの1stアルバム『The World According To』の方も内容では引けを取らないとても好きな作品。ところどころ見られる「ヒネクレ」含め、そのサウンドはAllやDescendentsをもろに感じさせ、それだけでなく特有の哀愁がかったメロディー、ベースのMiaさんとギターのPuttraさんのそれぞれの色のボーカルにハーモニーも絶妙な抜群のポップチューンが次々と繰り出される。ちなみに二人は家族。sisterとbrother。前述のようにStukasの音源を初めて手に入れたのはおっしょさんのディストロだったんだけど、このバンドのことを知ったのはハイパーイナフ大学で集中講義を受けていたときだった。真面目に授業を聞いていたつもりだったけど、その講義ではいかんせんスウェーデンという自分に馴染みのない土地のバンドを次々と紹介していたのでStukasに関してもうろ覚えだった。それでも課外活動で穴掘りを続けた甲斐あって、また別の鉱脈から掘り当てることができた。

 

⑦ Bum - Wanna Smash Sensation!
バンドや音源を紹介している個人のホームページを眺めるのが好きだったと先に書いた。その中でも、自分が好む音楽のテイスト、その趣味嗜好の形成に大きく寄与したまさに原点ともいえるサイト、それが前出のハイパーイナフ大学。変な学長や怪しげな講師たちが教鞭を取るユーモラスな大学だ。自分の中にある「メロディック」ないし「メロディックパンク」のイメージや解釈はそこで教わったものが基盤になってるっぽい。そこで紹介されている音源のいくつかは今に至るまでずっと聴き続けている。Bumの『In Wanna Smash Sensation!』なんかもそれに当たる。古株さんや。もちろん昔に比べたら聴く頻度は減ったけどときおり思い出しては聴きたくなる。「久々にあれ聴こうかな」とCDやレコードを引っ張り出すとこまではいっても「うーん、やっぱやめとこ」となることもしょっちゅうあるわけで、その点このBumのアルバムなら即決で再生機器行き。内容は文句なしに良い。ジャケットの妙な躍動感もポイントかもしれない。ところで日本語圏においては90年代前半のポップパンクの名バンドとしてBumはParasitesやVacant Lotと並んで語られることがあまりにも多いため、自分の頭の中でもこの三者はセットになってしまっている。Screeching WeaselやQueersに代表されるとこのいわゆる「ポップパンク」の文脈で紹介されたり名前が挙がるバンドを掘り下げてはこなかった自分でも上記3バンドには夢中になった。ちなみに大学は単位が足らず中退。

 

⑧ J Church - Quetzalcoatl
知り合いがJ Churchのこと好きで好きで…。

 

⑨ Elmerhassel - Billyous
LeatherfaceやMega City Fourといったバンドをまだ知る前の右も左もわからなかった自分はChopperやBroccoliに出会ってUKメロディックの魅力に取り憑かれた。学校やサッカーの練習に向かう電車の中でも聴きまくっていた青春時代。それらのバンドも「UKメロディック」という言葉でのみ語られるべきではないとはいえ、自分の場合はその言葉を通じてあるいはそれを指標とすることで素晴らしいバンドに出会ってきたのはたしか。一方でたとえばSnuffなんかはUKメロディックという言葉を知る以前に全国チェーンのレンタル屋でCDを借りたのがその出会いであったが、そこでは「メロコア」として分類されていたこともあり、Snuffみたいなのをもっと聴きたいなと思って他の「メロコア」のバンドを聴いてみたはいいものの「何か違うな」となってそこから発展することはなかった。あくまで自分の場合はね。その後、地元の今は亡きパンクレコード専門店で手に入れたChopperのアルバムに曲名とイントロからしてもろな"Snuff One"という曲があって驚いたのを覚えている。そこで初めて自分の中でUKメロディックとSnuffがつながっていく。その話はおまけとしても、ChopperやBroccoliに感銘を受けて以降「UKメロディック」と呼ばれるバンドを漁っていくようになる。その頃はChopperやBroccoliなどはとっくに解散しており、Blockoなどはいたもののリアルタイムで活動しているその手のUKバンドは少なかったので、逆に古い年代のバンドに注目していった。そんな感じで、あるとき、92年リリースのBoss Tuneageからのコンピ『Floor 81』を手に取る。その中でなんとなく印象に残ったのがElmerhasselだった。「これはエルマー…ハッセル…でええんか?」とバンド名の読み方もようわからんままに聴いた"Suffocated"という曲がなぜか自分の心をとらえた。それで気になってはいたものの国内では音源が見つからず。Elmerhasselのこの1stアルバムを手に入れたのはしばらくあと、しかも輸入代行サービスというのを利用して海外から買った記憶がある。そしてようやく聴くことのできたアルバム。その即効性のなさは折り紙つきであり、派手さはなく繊細。その渋さをもって「これこそUKメロディック」なんてふうに思ってしまうような素晴らしい作品だ。ときに暗くじめついた哀愁も雨上がりの澄んだ空気に瑞々しく、そこに光沢や透明感すら感じられて心地良い。ようやく効いてくるメロディーがストレートに心に響く。そんなElmerhasselもなんとディスコグラフィーが2015年にリリースされている。

 

なに長々と書いとんねん。

さて、今回はこういう感じになったけど、みなさんにとっても懐かしかったり今でも好きで聴いてるっていうものある?

ぶれいぶハんズ

Brave Handsのアルバムがとても素晴らしいなと思った。

 

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Brave HandsはRidgemontやPeeple Watchin'のメンバーであるMamboによるソロプロジェクトとして始まり、最初のデモ発表からほどなくしてバンド形態となる。Mamboがボーカル/ギター、Caitlinがベース/ボーカル、そしてRidgemontでギターを弾いていたMaxがドラムを担当する。当初はアメリカのマサチューセッツ州ボストンを拠点としていたが、現在はオレゴン州ポートランドにて活動している。

これまでにデモやEPなどいくつかの音源を発表しているが、『To End All Worth』と題されたBrave Hands初のフルレングスがSalinas Recordsよりリリース(フォーマットはLP)。一昨日(7月20日)から同アルバムが全曲ストリーミングできるようになったので、ぼくはレコードに針を落とす瞬間を待ちわびる選択をすることなくすぐさま聴いてしまったのだった。

全曲公開される前に先行で聴くことのできた2曲(アルバムの2曲目と10曲目)ですでに本作の感触を掴んでいた気でいたが、1曲目の"Liam"が始まり、自分の勝手な予測とは裏腹に初っぱなから溢れんばかりの勢いと疾走感に面食らったのも束の間、すでに作品に引き込まれていた。うねるようなトンネルの中を猛スピードで駆け抜け、壁面に映し出される情景が高速で過ぎ去っていくような、音とともに去来するイメージと感情の応対。そのときのぼくは体が固まったかのように立ち尽くしていた。そのあとも目まぐるしくも心揺さぶる素晴らしい曲が矢継ぎ早に続いたことで、ぼくは何を見ているでもなく前方を見つめ、そしてずっとドキドキしていた。実際に心臓が早鐘を打っていたかどうかは忘れた。ただ作品に引き込まれていた。その感覚はわりと久しぶりだった気がする。アルバムを聴き終えて笑みがこぼれた。

Bandcampでは「anxiety rock」とタグ付けされていることもあり、決して陽気で明るい題材を扱っているわけではないと思われるが、それこそ自分自身を追い込んでしまうような憂いと鬱屈でいっぱいの場所から何かをなんとか力いっぱい解き放つような、希望の光が差すかもわからない状況の中でもがいているような、個人的には曲を聴いてそんな漠然としたイメージを想起されられた。実際にはどんなことを歌っているのか気になる。元G.L.O.S.S.のSadieがアルバムのレビューというかコメントを寄せており、そこで歌詞についても少し触れられているのでその内容に関して全く手がかりがないわけではないけど、やはり早く歌詞も読んでみたいな。余談だけど、そのコメント内でこのBrave Handsのアルバムに対してTHE GIBBONSやLEATHERFACEが引き合いに出されていたりもする。その形容にも納得するし、また双方ともに自分の好きなバンドだが、LEATHERFACEについてはその手の音楽のレビューで名前が挙がることが多いだけに驚きはないけど、GIBBONSの名前が挙がったのは地味に嬉しいというか印象的だった(SadieはThe State Lotteryの1stアルバムを自身のオールタイムフェイバリットの一枚であると以前どこかのインタビューで答えていたので、同バンドの前身であるThe Gibbonsもきっと好きなんだろう)。

とにかくBrave Handsのアルバムとてもいいんじゃないかな。過去の音源ではエモリバイバルとかトゥインクルエモに若干傾いている感じの時期もあったし、また、Salinas的な昨今のインディーロック/パンクに共鳴するような感性を持っていないとは言えないと思うけど、このアルバムではLattermanやRVIVRといったバンドが好きな人のみならず、それこそ往年のSnuffy Smileが好きな人も気に入りそうなメロディックパンクを聴かせてくれる。部分的にはまるでRidgemontの頃の燃えるラフメロディック魂を取り戻したんじゃないかと思えたり、たっぷり染み付いた哀愁や陰りに90年代的なエモーショナルな雰囲気を纏って全く異なる表情を見せてくれたり。ここに至るまでの過程で色んなものを呑み込んだ上で吐き出された曲は実際どれもこれも素晴らしい。たぶん。繊細で、むき出しで。

 

LP欲しいなー。

れべるへっど

前に書いたQuitじゃないけど、なんらかの事情でしかるべきときに世に出せなかった音源があるという話はよく聞く。未発表のまま闇に埋もれていくものがあれば、長い年月をへてようやく日の目を見るものがある。ここで紹介するLevelheadのアルバムは後者の例(※Level Headという表記もあるけど、以下Levelheadで統一)。

Levelheadはアメリカのジョージア州アトランタ(もしくはアトランタ近郊のマリエッタ)出身のバンド。ドラムのGino、ベースのMatt、ギターボーカルのJayの3人が1991年に結成。たぶん当時メンバーは高校生くらい。しばらくのあいだは手探り状態だったが、1993年にGinoが大学進学にともない脱退し(のちに自主リリースの7"がMutant Popから再発されるThe Pulloutsを結成)、Jayの弟のBradがドラムとして加入してから、サウンドの方向性が定まっていく。1994年に自分たちのレーベルSlender Boy / Fat Boy Recordsから『Spooky?』7"をリリース。1995年には、同じアトランタのメロディックハードコアバンドQuadiliachaとのスプリット7"をStandfast Recordsからリリース。地元を中心に精力的な活動をおこなう。同年、夏のリリースを目指してアルバム用の曲を録音し、レコ発の国内ツアーを計画。Tシャツをつくり、バイトにはげみ、ZINEや口コミやダイアル式電話をとおして(当時はスマホSNSもなかった)日程を組む。すべてが準備万端。ただひとつ、アルバムを除いて。とある新興レーベルがCDでリリースする約束を破ったのだという。理由はわからない。連絡が途絶える。そのまま肝心のアルバム不在の「レコ発」ツアーに出るはめになる。1996年、The PulloutsのフロントマンであるDamienがセカンドギタリストとして加入。フロリダツアーやいくつかの単発ライブをこなす。しかしアルバムをリリースする機会はついぞ訪れず、1997年にあえなく解散。

メンバーのその後。JayとDamien、オリジナルドラマーのGinoはThe Walt Lariatを結成。2001年にはJay&Brad兄弟が再びタッグを組み、The Paper Championsを結成。2008年に兄弟は、Premonition/Self/Insult To Injury/Dade County ResistanceのGarrett(かれのレーベルThree Day Hero RecordsのコンピにLevelheadが"Denizen"という曲で参加した縁もある)とLakehurst is Burningを結成。2011年には新たなメンバーをむかえ、Echo Romeoを結成。どのバンドもアトランタを中心に活動し、エモ〜インディーロックなサウンドを鳴らしていた(最初の二つはDeep Elm Recordsの『The Emo Diaries』シリーズにも参加)。Levelhead解散後、ベースのMattアトランタをはなれて、DirtbikeやCallsignというバンドで活動していたとのことだが、詳細はわからない。

ぼくがLevelheadを知ったのは、サウスカロライナのポップパンクバンドSelfのアルバムのサンクスリストだった。サンクスリストというのは、音源の制作にかかわったレーベルやエンジニア、ライブで共演したバンド、お世話になった人たちなどの名前を列記して、バンドが感謝を伝える欄のこと(正式名称はわからないけど)。CDやレコードについてる歌詞カードとかインナーとかに書いてあるアレね。本でいう謝辞、映画やゲームでいうスペシャルサンクス。これがまた貴重な情報源でして。90年代のメロディック/ポップパンクを「後追い」で聴いてた00年代のぼくは、サンクスリストで挙げられてるバンドやレーベルをメモしては、芋づる式に音源を「掘る」ことをたのしんでいた。サンクスリストを見て手に入れた音源のサンクスリストを見て手に入れた音源のサンクスリストを見て…といった具合に。この無間地獄にはまりこんで人生を棒にふった人は数えきれない。なかでもSelfのアルバムのサンクスリストは、いわゆるB級メロディック好きにとっては金鉱山みたいなもので、個人的にベストサンクスリスト賞をあげたい。Unfound Logic、Revolvers、Webster、Knucklehed、Scaries、Fun Sizeなどが並ぶそのあいだで恥ずかしそうな顔をしてたたずむ(勝手なイメージ)Levelheadなる名前を見て、よさげなバンドだと目星をつけた。調べていくと、Sneezeguard Recordsの名コンピ『Dear Fred』にも参加してたという情報を見つけ、期待は高まる。2枚の7インチの存在を確認し、はじめに単独7"、つづいてスプリット7"を海外のディストロから購入。聴いてびっくり。Fifteen系のメロディックパンクだった(Fifteenの泣きメロを期待しちゃダメだけど)。いわゆるイーストベイスタイルなサウンドで、なんていうか、コミカルでユニーク。『Spooky?』7"はショボくて平板な印象を受けるけど(本人たちいわく、急いでつくったとか)、そこがまたいとおしい。Quadiliachaとのスプリット7"は疾走感がぐんと増してメロディーもよくなってる。どっちも好き。

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そのあとも調べてると、同じ時期に同じアトランタで活動してたDC系エモーショナルハードコアバンドCar vs. Driverのメンバーがやってた「Beyond Failure」というブログにたどいついた。マメな人がいるもんで、当時のシーンを記録してるこういうブログなりサイトなりの情報ってすごく助かる。そこの記事でLevelheadのディスコグラフィーをダウンロードできるようにしてくれてた。しかも、2枚の7インチの曲やコンピ提供曲のほかに、なにやら「幻のアルバム」の曲もふくまれてるっていうじゃない!未発表のアルバムがあったなんて、テンション上がるやん。聴いてみたらさらにテンション上がった。時期的にめちゃくちゃ脂のってたんやね。あふれるアイデアをできるだけ詰めこんじゃえ!ってな勢いで曲が展開していく。明るいのか暗いのかよくわからないのにクセになるメロディーが矢継ぎ早にくり出され、7インチに比べると洗練されたサウンドはあわただしくも意表をつく。それまでのFifteenっぽさにくわえ、Jawbreakerへの接近がところどころに感じられるけど(まんまなベースラインもあったり)、自分たちの個性をしっかり確立してる。まちがいなくバンドのベスト音源。なんでこれ出さんかったんや!

上記の「Beyond Failure」のコメント欄には、LevelheadのJayさんやMattさんもふくめ、当時のアトランタシーンにかかわりのある人たちがコメントしてて、なかなかおもしろい話が書いてあった。たとえば、「幻のアルバム」は『Humans Would All Look the Same At First to an Alien』(「宇宙人がはじめて人類を見たら、みんな同じに見えるだろう」くらいの意味かな?)というタイトルだったとか。Car vs. Driverのメンバーが運営するLunchbox RecordsからLevelheadの音源をなにか出したかったが実現しなかったとか。Car vs. Driverが、フロリダのNo Idea Recordsからスプリット7"を出さないかと誘われたとき、スプリット相手にLevelheadを推薦したが、No IdeaのVarさんがほかのバンドに代えたがったので、けっきょくリリース自体を辞退したとか(もしNo Ideaから出てたら、Levelheadの知名度はもう少し上がってたかもね)。あと、Levelheadのアルバムを出さなかった人の名前も書いてあったけど、ここではくりかえさない。なんにせよ、アルバムが出なかったことを惜しむ声がいくつも寄せられてた。これが2008年の話。

それから5年。2013年にLevelheadは、盟友Quadiliachaとともに一夜かぎりの再結成ライブをおこなう。

アルバムをリリースできなかったことが、やっぱりメンバーの心のどこかにわだかまりとしてずっと残ってたようだ。とくに再結成ライブ以来、自宅に保管してるアルバムのマスターテープが自分の顔を見つめてくるようになったとJayさんは語る。2015年、アルバムをLPで自らリリースしようと思い立ち、クラウドファンディングサイトでレコード制作にかかる資金を募る。すると物事がとんとん拍子に進展。翌2016年、20余年の月日をへて、ついにアルバムがリリースされた!

バンドはとっくに解散してる。アルバムをリリースするタイミングは完全に逸してる。ダウンロードなどによって愛好家たちのあいだで曲は出回ってる。それでも出したい人がいて、欲しい人がいて、それを形にできる手段があった。あのころにリリースしておけば…という思いは残るにしても、たぶんこれでよかったんや。

このレコードは、20年以上にわたる労働、10代の不安、中年の危機、それにこれらの曲を世に出したいといういつ終わるとも知れない疼きの集大成だった。クラウドファンディングによって、それがいま現実のものとなった。これを実現するために力になってくれたすべての人に感謝する。あなたたちがいなければ、これらの曲はいまだにテープのままで、靴下を入れる引き出しのなかでほこりをかぶっていただろう。(LPのインナーの文章を和訳)

かくいうぼくは、今年になってようやくLPを購入。ダウンロードしてはじめて聴いたときから10年近く経ってるので、時間の早さをしみじみと感じる。そのあいだ音楽の好みはほとんど変わらなかったみたい。レコード盤のカラーはランダムらしく、ぼくのは紫色のマーブルビニールだった。インナーにはバンドの歴史や当時の写真が掲載されてる。歌詞が載ってないのはちょっぴり、いやけっこう残念かも。それでもレコードで聴くのはやっぱりいい。ぜんぶで16曲。A-3"Canine Nation"からA-7"Tape The Line"の流れが好き。ラストの曲は、オーストラリアのロックバンドMen At Workの曲"I Can See It In Your Eyes"のカバーで、Boxcar Recordsから出た『Totally Fucking The '80s』というコンピにも入ってる。個人的には、B-6"In A Minute"がほんまの最後の曲で、B-7"Rachel"は隠しトラック、B-8"I Can See It In Your Eyes"はボーナストラックってな感じ。

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さて、ここまで読んでくださった人のなかで、このLevelheadのLPを欲しい方いますか?ディストロするつもりはなかったのですが、ついでなので複数枚入手しました。前述のとおりレコード盤のカラーはランダムなので、こちらでもどんな色が入ってるのかわかりません。届いてからのお楽しみということで。

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