へるべんだあ

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1990年代、アメリカのノースカロライナに、hellbenderというメロディックパンクバンドがいた。

1作目の『Hellbender』、2作目の『footprint of the american chicken』、3作目の『con limón』と、3枚のアルバムはどれもいい。3作目が好きな人が多そうだけど、ぼくは2作目がいちばん好き。まさに激渋メロディック。Jawbreakerが好きな人なら気に入るんじゃないかと。

上の写真の本は、hellbenderでギターを弾いていたウェルズ・タワーさんの短編小説集『奪い尽くされ、焼き尽くされ』(藤井光 訳、新潮社、2010年)。原書Everything Ravaged, Everything Burnedは2009年に発表されてる。

小説はぜんぜん読まないけど、hellbenderつながりで読んでみた。たしかにレイモンド・カーヴァーっぽいかも(カーヴァーもJ Churchのランスがおすすめしてたから読んだ)。カーヴァーのように狩猟の話もあるし、主人公が離婚や失業などなにかしら問題をかかえていて、ぎくしゃくした人間関係を描いた短編が多い。でもなんかこう、登場人物がみんなもっとイライラしてる。ユーモアには少し毒もあって、ちょっと悪ノリしてる気がせんでもない。個人的には前半の話のほうがおもしろかった。読後感はあんまりよくないかもw 好きか嫌いかは別としてこれはこれでリアルだし、hellbenderのギターみたいに繊細だよ。