ヒーローの出る幕なし

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1990年代末から2000年代はじめにかけてアメリカのコロラド州デンバーで活動してたメロディックパンクバンドno place for a hero。どうやらネブラスカ州出身で、大学進学でデンバーに出てきたっぽい。サウンドはいかにも90年代な雰囲気が漂い、メロディック、ポップパンク、エモ、ポストハードコアがないまぜになってる。ある意味、同じ時期にデンバーでいっしょに活動してたPlanes Mistaken For Starsのもつ静と動のあわいにある陰鬱なエモーショナルをもっと直情的な疾走メロディックに置き換えたような感じもする。メロディアスなボーカルとカオティックなボーカルが重なるスタイルも似てるし。ただno place for a heroの場合、青臭いしゃがれボーカルが歌ってるうしろで激情ボーカルが叫んでるのがちょっとジャマだなと思うこともある(笑)けど、それが逆にユニークなのかも。

no place for a heroは2000年に7インチを2枚リリースしてる。ひとつはシカゴのhystericsとのスプリット。hystericsはシカゴの伝統を受けつぐメロディック/ポップパンクバンド。Naked Raygun〜PegboyやScreeching Weasel、The Bollweevilsを思わせる。このスプリットを出してるFlammable Recordsは、たぶんHystericsの自主レーベルで、アルバムも出してる。hystericsはたしかThe Grand Marquisのメンバーもいたはず。The Grand MarquisはSludgeworthとWalkerが合わさったようなポップパンクでめちゃくちゃかっこいいんだけど、『Heavy Duty Wonderful』というアルバムを未発表のまま解散してしまった。以前はダウンロードできるところがあったけど、もうなくなったのかもしれない。

もうひとつは謎のエモバンドCLARKとのスプリット。インナーの記載よると、CLARKはインディアナ州サウスベンドの3人組とある。検索しにくいバンド名だから、くわしいことはわからない。両者とも1曲しか入ってないけど、no place for a heroの"sunken"は、ほとばしるパッションが乱反射する痛快な曲ですごくいい。リリース元のCloister Recordsはno place for a heroの自主レーベルじゃないかな。

そして2枚の7インチの前には『Casting Line』というアルバムが出てる。Myspace全盛の時代にバンド本人とフレンドになって、そのアルバムを送ってもらえる一歩手前までこぎつけたことがある。でも途中で相手がめんどくさくなったのか、音信不通になった。よくわからない人に国際郵便で送るのめんどくさいよね。。それ以来10年近くず〜っと探してるんだけど、いっこうに見つからない。情報もMyspace以外はまったく出てこない。ほんとに存在してるのか疑いたくなるくらい。でも、先日久しぶりに検索したら、いつのまにかBandcampのページができてた。

ついにアルバムまるごと聴けたぜ!待ちわびたぶん期待値が上がってしまってた感はあるものの、ふつうにかっこいいやん!初期Samiamみたいな泥臭いエモーショナルさがたまらん。7インチよりも渋めの曲が多いかも。隠れメロディックですな。最後の曲はアメリカのロックバンドJourneyの"Don't Stop Believin'"のカバー。よっぽどこの曲が好きなのか、のちにhystericsとのスプリットで再録されてる。Fifteenも『Survivor』の最後のトラックでこの曲カバーしてたね。

no place for a hero解散後、メンバーはEndgameというバンドをやってた。Cloister Recordsから『Scorcher』というタイトルの10インチをリリースしてる。これもなかなか見つからない。以前どこかでJawbreakerタイプという記述を目にしたのでずっと気になってます。

あと最近のバンドでいうと、ドラムの人がCowcatcherに参加してた。でも抜けたみたい。そのあとなかなかドラムが定着しなくて、2016年から活動が停滞してる。もったいない。ちなみにCowcatcherのメンバーは過去にSlatwallやThrowaway Sunshineというバンドで活動していて、どのバンドもLeatherfaceやJawbreaker影響下のラフメロディックでかっこいいよ。no place for a heroとは直接関係はないけど。