冷丼

ネットでは新しいリリースをちょくちょくチェックしてたりもするけど、フィジカルの音源を買ったのは半年ぶり。。

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もしかしてと思って、この1ヶ月ずっと聴いてる。やっぱりええやん、RADON(レイドン)の新しいアルバム。

RADONは米国フロリダ州ゲインズビルのメロディックパンクバンド。90年代初期に活動し、2005年に再結成したのちは断続的ながらも息の長い活動をつづけている。2018年5月1日にリリースされた今作は、前作『Metric Buttloads of Rock』から12年ぶりとなる4枚目のアルバム。RADONとスプリット7インチを出しているWorthwhile Wayのメンバーが運営する徳島のEAGER BEAVER RECORDSからのリリース。

これは聴くほどに味が出てくるアルバムですな。Hüsker Düの影響が感じられる哀愁メロディックだけど、わりとカラッとしてる。いい意味でのショボさがあり、気取らず気負わず淡々としてるようで、ときに叙情的。そして抜群のポップセンス。このバランスが肌にあう。ひとつひとつの曲に個性があって、いろんな雰囲気の曲が並んでるけど、全体に通底するバンドらしさが見える。それは過去の作品から一貫して感じとれるものかもしれない。「レイドン節」ってこういうことなんかな。あと思ったんやけど、収録時間のわりに聴いてると長く感じる。ボリュームがあるというか。あれこれ詰めこんでるわけじゃないのにね。

1曲目の"Better Than I Am"はちょっとJ Churchっぽい(もしJ Churchがいまもやってたら、きっとRADONとスプリット出してるよね、たぶん)。この曲自体は昔からある曲なんやね。1992〜1993年録音のライブ盤に入ってる(のちのディスコグラフィー盤にも収録)。今回あらためて録りなおしたってことは、けっこう思い入れがあるんかな。どうやらFay Wray / King FridayのJeff Londonさんとの共作曲らしい。かれはRADONのいくつかの曲で作曲にかかわってるみたいやけど、メンバーではない(King Fridayには"I Wish I Was in Radon"という曲がある)。つづく2曲目の"Demon Lover"は、思わずシンガロングしたくなる曲。そして3曲目の"Go Forth and Hate One Another"は、EAGER BEAVERさんが「今アルバムの核」と言うとおり、ミッドテンポで聴かせる名曲。切なくもほのかな希望をいだかせるような、ある種ノスタルジーをくすぐるようなメロディーが、歌詞のアイロニーをきわだたせてる気がする。英語なのでニュアンスはわからないけど。4曲目の"A Fist Full of Potash"は、2009年に出した4-wayスプリットにも入ってる。これはドライブに最適な曲ですな。開けた大地に飛びだしたくなる。つぎの"What Do You Want From Me"にはとりわけHüsker Düの色を感じた。この1〜5曲目の流れが特に好き。それ以降の曲もいいけどね。12曲目の"From The Wilderness"なんかもう、イントロの時点で決まりやん。

ぼくみたいな90年代メロディックが好きな人におすすめ。最近こういうバンドいないしね。れーいどん、れーいどん、れーいどん、れーいどん。