べてぃーずらぶちゃいるど

Betty's Love Childの2ndアルバムがYouTubeにアップされてたよ。

Betty’s Love Child(以下BLC)は、90年代にアメリカのカリフォルニア州サンノゼで活動していたバンド。ぼくがBLCのことを知ったのは10年くらい前のこと。See Her Toniteの佐竹さんがやってた「Hey! Grapefruit Moon」というサイトのセカンドハンドで、この2ndアルバム『Love and Other Tragedies』を買ったんよ。名前すら聞いたことなかったけど、商品説明に「Jawbreakerタイプ」みたいなコメントが書いてあって、それが購入の決め手となった(値段も安かったと記憶してる)。そのとき同時に注文したAlgebra Oneの『Earn Your Halo』ともども今でもよく聴くし、どちらもめったに見かけない作品なので、タイミングよくめぐり会えたことに感謝しかない。

とはいえ、初めてこの作品を聴いたときは、なぜかまったくしっくりこなかった。いま考えても理由はわからない。CDを聴き終わったあと戦力外通告の暫定ボックスにそっと置いた。そのあと時間を置いて聴きなおしてみたら、「あれっ、こんなによかったっけ?ていうか、めっちゃいいやん!」となって一気にスタメン入り。あぶないあぶない。下手したら売ってるところだった。こんなことってよくありませんか?

BLCのサウンドはまさにJawbreakerタイプ。たぶんメタルの影響も大きい。パンクバンドが80年代メタルの曲をカバーするコンピにも参加していた。一説によれば、BLCのギターボーカルのRichさんは、Rattという有名なメタルバンドのメンバーからギターの指導を受けていたという。おかげで演奏はうまい。前作の『Angelfish』はイーストベイパンク色が濃いというか、まだ荒削りで疾走感にあふれ、わりと似たりよったりな曲が多い気がするけど、今作では新たにギターが加入して4人組となり、楽曲の幅が広がるとともに、より洗練されたという印象。そしてあいかわらずのBLC節ともいえるメロディーと切り裂くようなギター。歌はおもにラブソングかな。後悔と孤独をともなうような。『Love and Other Tragedies』ってタイトルやもんね。とにかく捨て曲ひとつもない。