えちれん?

2月に入ったと思ったらもう12日ですか。最近はYouTubeさくらももこさんの『コジコジ』ばっかり見てた。

で、これは『コジコジ』がテレビで放送開始する1997年にリリースされた(1996年リリースという情報もある)Ethylineの1stアルバム『Jitters』。

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Ethylineは、米国シカゴのポップパンクバンドSludgeworthの後身バンド。1993年にSludgeworthが解散したあと、ボーカルのDanさんがScreeching Weaselでの活動をつづける一方、残りのメンバーは新ボーカルのMattさんをむかえてPoundというバンドを結成し、のちに改名してEthylineになる。MattさんはSludgeworthのアルバムにコーラスとして参加してた人みたいやね。解散の原因は、「わてはもっとポップパンクのサウンドをつきつめたいんや」というDanさんと、「いやいや、わてらはもっとファンクとかオルタナがやりたいんや」という残りのメンバーとの、いわゆる音楽の方向性のちがいってやつらしい。

ぼくはファンクとかオルタナとかぜんぜんわからないけど、EthylineのサウンドはSamiamに接近したSludgeworthって感じ。このアルバムの2曲目3曲目7曲目なんかはSludgeworthまんまやね。解散しなくてもよかったのではと思ってしまう。しぼり出すような力強いボーカルや陰りを帯びたエモーショナルなギターはSamiamからの影響大って感じ。曲によっては同系統のFarsideやSlap Of Reality、あとフランスのSixpackなんかを思わせたりする。

歌詞カードには各曲の歌詞のほんの一部しか載ってなくて、 しかもそれが曲順に並んでないので、何曲目のどこにそのフレーズが出てくるかを見つけるゲームみたいな感覚で聴いたらちょっとたのしかった。

このアルバムはWild West RecordsとFluid Recordingsというレーベルから出てる。どっちも知らないレーベル。Wild WestはどうやらAmerican Recordingsというメジャー傘下のサブレーベルらしい。Fluidのほうはというと、今作のクレジットにWild Westの部門のひとつと書いてある。さらにクレジットを見ると、流通にEdelやSonyが関わっているのがわかる。どういう経緯でリリースにいたったんやろう?しかもDiscogsで調べたら、Fluidがリリースしてるのってヒップホップばっかり。謎や。

ところで先日、Ethylineの2ndアルバム『Long Gone』がeBayで売られていて、送料込みで5.86ポンド(820円くらい)と安めだったので買った。そんで2週間後に届いた封筒を意気揚々と開けると、Jeff Robinsonの『Eyewitness』という見知らぬ作品が入ってた。えっ、だれ?いままでディストロ入荷をふくめ海外からいろいろ輸入/購入してきたけど、おまけでつけてくれた音源はべつとして、まるっきりちがうブツが送られてきたのははじめてかもしれない。どうやらジャズシンガーらしい。なにをどうまちがったんかな?「Eyewitness」が「Ethyline」に見えたってこと?なんだか腑に落ちないまま手にしたCDを見ると、リリース元がFluid / Wild Westだとわかった。Ethylineと同じレーベル。でもそれだけでまちがえるかな?

売り手に連絡をとってみた。「ちがう商品が届きました。正しい商品を送ってください。返品が必要なら、やりかたを教えてください」と書くと、2日後に謝罪メールがきた。「24時間以内に返金いたします。その商品はお好きなように処分してください。返品の必要はありません」とあり、そのあとすぐに返金してきた。いや、返金じゃなくて現物を送ってほしいのになと思ってたら、同じ売り手のストアにまだ『Long Gone』の在庫があると表示されてたので、半信半疑ながらもういちど買ってみた。さすがに今度は大丈夫やろうと。ふたたび2週間ほど待って、やってきたのは、そう、Jeff Robinson。

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天丼すぎて笑ってしまった。もう売り手の不注意によるミスとかじゃなくて、たぶん在庫管理のデータ登録の段階でまちがえてるんやと思う。よくよく確認したら、ぼくがCDを購入したストアは個人売買を仲介する会社みたいで、少なくないネガティブ評価を圧倒的な取引件数でかき消すことで99%以上の高評価を保ってるようなところだったので、そんなとこから買ったぼくにも落ち度がある。ディストロとかレコ屋さんならこんな感じのまちがいは絶対しないもんな。

まあ、今回は縁がなかったということで、YouTubeで我慢しよっと。ぼくは利用してないのでわからないけど、SpotifyApple Musicでも聴けるみたい。

『Long Gone』は2002年リリースだから前作から5年たってるけど、丸くなるどころかドライブ感が増してノリがよくなった気がする。1曲目のイントロからしてそうやけど、Sludgeworthの香りはまだちらほら残ってる。『You Are Freaking Me Out』期のSamiamっぽい曲もいくつかある。こっちのアルバムのほうが好みかも!ただYoung MCの"Bust A Move"のカバーはいらんかも!

EthylineはのちにMagnaFUxと改名して、2013年にアルバムを出してる。