めあんでるたーる?

この前手に入れた音源。

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オーストラリアはシドニーで活動していた90'sパンクバンドMeanderthalのCD。

このバンドは昔DNSCIG Records(Double Pints Wreckers)でシングルコンピ的なLPがディストロされてたときに知ったんだった。なつかしー。そのときに買えていればなー。あれから10年経って初めて音源ゲットした。当時のDNSCIGのレビューではLawnsmell(現Chinese Burns Unit, Hellebores)が引き合いに出されてて、それで気になってたんだよね。あとUKのAnnaliseとスプリット出してて一緒にツアーを廻ったこともあるバンド。ここもポイント。だってAnnaliseがスプリット出している相手(NavelにJ Church, Snatcher, Gunmoll, Three Minutes Movie, The Toneなど)って自分の好きなバンドばっかだもん。もちろんAnnalise自体もすごく好きだし。そうなるとMeanderthalも間違いないはず。ってことで今回このCDを手に取ったんだけど、結果これまたなかなかよかった。

本作は1998年にBlind Recordsからリリースされたもので、3rd EP『Dumb』にボーナスディスクとして2nd EP『Yoil!』(と思われる)が付属した作品。ボーナスディスクはちゃんとプレスされたものなんだけど盤面に何の印刷もない灰無地のCDというオマケ感の強い代物であり、歌詞カードやバックカードも『Dumb』単独の仕様になっているため『Yoil!』(と思われる)側の情報は一切載っておらず曲名すらわからない。調べていくつかの曲は特定できたけど。あとジャケのこいつは何?

疾走感のあるギターに細めの声のボーカル、流れるようなメロディーにどことない哀愁を宿し、荒々しくときに変則的な展開を見せるどこかひねくれたサウンドが個人的には妙にクセになる。暗く焦燥感を漂わせる2nd EPも好きだけど、Screeching Weaselのようなポップパンク色を施したより弾ける感じの3rd EPもまた好き。後者はちょっとLawnsmellっぽいとこある。次作であるAnnaliseとのスプリットも聴いてみたい。オーストラリアには当然ながらたくさんのバンドがいるし、メロディックパンク的なバンドだけとっても自分はまだまだ全然知らないのでやっぱり奥が深いなー。

試聴できるとこ全然ないけど、Barcode The Worldからの2つのV.A.にも入ってる曲は聴けるとこ見つけた。2nd EP収録の"Inertia"と3rd EP収録の"Ant"。

 

グレーとセンとルイス

UKのメロディックパンクバンドStay Clean Joleneのアルバムすごくいい。ずっとタイミングを逃していたけど先日CDをようやく買った。

SCJのメンバー4人のうち2人が元々やっていたThe Leif Ericssonが今週末から東京で3日間ライブをやるってのをこの前知ったとこ。MATSURIにも出るんだと。

Stay Clean Joleneはどうなったんやろと気になってFacebookを覗いてみたらやはり最近は活動している様子もなく、プロフィール欄も「SCJ were members of The Great St. Louis & The Leif Ericsson.」と過去形なので解散したんかな。

じゃあもう半分のメンバーがやっていたThe Great St. Louisはどうなのよって思ったらこちらもLeif Ericsson同様復活してた!今年の4月くらいに新曲2曲を公開してる。相変わらずかっこいいな〜。今後の動向も気になる。

まいオウンすうぃーと

知る人ぞ知る90'sエモーショナルメロディックバンドHuffyのメンバーが次に組んだバンドであるMy Own SweetのBandcampがあった。Sudden Shameからリリースされた1997年の1st EPの他に未発表音源がアップされている。

 

Huffy好きだったのに断捨離気分時に音源手放してしまったの後悔してる。

もれなくシブいやつ?

今月に入るまで数ヶ月間ブログを更新していなかったけど、どっかのタイミングで紹介できたらなーと密かに思ってたいくつかのバンドとその音源についてしたためた何の変哲もない駄文章を然るべき試聴先とともにお送りすることにする。

今回は2019年に発表された渋めのメロディックなパンク作品を5つほど。

いつもどおり自分が好きな感じのやつを取り上げているだけだけど、まぁ自分の他にもこういうの好きな人いるんじゃないかなぁというかたぶんいるだろうと思って書いた次第でございます。

 

 

Nadir - Collecting Misery
アメリカはニューヨークのバンド。Off With Their HeadsのRobbieさんによるプロジェクト。このアルバムがデビュー音源になると思われるが、なんかもう全方位から不安や絶望感が漂ってくる。だって墓地の広がる白黒写真が配されたジャケットに『Collecting Misery』(悲惨収集)と題されたアルバムの1曲目が"Doomed From The Start"(はじめから終わっていた)なのだから。そもそもNadir(どん底)ってバンド名だし。歌詞もきっと暗い内容だろう。サウンドはBanner Pilotがスピードを落としてJawbreakerやPegboyに接近したような感じ。派手さはないけど、きっちりツボを押さえ、メロディーの良さで聴かせる。8曲入りでそのうち2曲がアコースティックってのはちと物足りなくも感じるが、最初と最後に良い曲を持ってきている点は個人的に好評価。本作はLPでリリースされている。

 

Tror du det blir krig? - Ikke natt, ikke dag
ノルウェートロンハイムのバンド。Dumhetens Hærというデス/スラッシュメタル/ハードコアのバンドが2015年に活動休止を決めたときに構想されたグループとある。このTror du det blir krig?ではうってかわってメロディックサウンドを鳴らしており、バイオグラフィーにも「LeatherfaceやDinosaur Jr.に代表される80年代と90年代のオルタナティブなロックを土台としたノイジーでメランコリックなポップミュージックを演奏している」的なことが書かれている。バンド名はノルウェー語で、和訳すれば「(今後)戦争があると思う?」という意味になるのかな。歌詞も同じくノルウェー語で歌われる。今作は昨年発表された1st EPに続く2nd EP。本作はフィジカルでのリリースはないと思われる。

 

Tag/Ohne/Schatten - Ein besserer Ort
ドイツはハノーファーのバンド。その名は同じドイツのパンクバンドRazziaのアルバムタイトルに由来する。後にメロディックパンクと呼ばれるような音楽を80年代のドイツにおいていち早くやっていたNeurotic Arseholesのメンバーと90年代のスケートパンクバンドPressure Flipのメンバーが在籍。Pressure Flipの関連バンドであるRaum 101やSpringhillは好きだったな。今作は2014年のデモ音源以来のリリースとなる。デモに入っていた2曲も再録されて収録の全8曲。英米のバンドにインスパイアされたメロディックパンク/ハードコアをドイツ語でやっていて、曲によってはHüsker DüやFarsideにLeatherfaceといったバンドを彷彿させる部分があったりなかったり。ドイツのバンドらしい暗さもある。本作はCDでリリースされている。

 

La Reaccion - Nada Será Igual
チリはサンティアゴのバンド。90年代から活動していたメロディック/スケートパンクバンド608-Zのメンバーによって2017年に結成された。La Reaccionは608-Zのギターボーカルの一人であったMacarenaさんが同じくギターボーカルを務めており、前身バンドからのスタイルを引き継ぎつつ、2作目となるこのEPではさらに哀愁感の増したメロディックパンクを奏でている。アルゼンチンのEterna Inocencia辺りにも通じるところがあるのでその手の南米メロディックパンクが好きな人にもおすすめかと思う。本作はCDでリリースされている。

 

Punch Drunk - Sassy
イングランドノッティンガムのバンド。ギターボーカルを務めるGramさんは、過去にやっていたエモバンドCape Canaveralが2006年に終わりを迎えたときにそれっきり二度とバンドをやるつもりがなかったが、10年の歳月を経て再び曲を書きはじめ、そして友人たちと結成したこのPunch Drunkでまたバンドを始めることになった。本作がデビューアルバムとなる。前身バンドからの持ち越しでCristie Front DriveやMineralといったエモの影響もあるだろうけど、根幹をなすのはHüsker DüやJawbreaker直系のいぶし銀のメロディックパンク。猫ジャケというのも見逃せないポイントかもしれない。本作はCDがJSNTGMから、カセットテープがDisillusionedとEngineerの共同でリリースされている。

くろすどキーズ

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アメリカのフィラデルフィアのパンクバンドCrossed Keysは、10月4日に初の正式音源となる『Saviours』をリリースした。

HellMinded Recordsから12"レコードとカセットでリリースされているほか、各種音楽配信サービスで聴くことが可能。

Samiam好きはもちろんのこと、在りし日のSnuffy Smileのメロディックバンドが好きな人も聴いてみては。

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ザぷろぐらむ

10月ですか、そうですか。早ぁ。

先月、もともと欲しい音源があってそれを注文するついでに買った音源。

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アメリカのペンシルヴァニア州のランカスターで活動していたメロディック/ポップパンクバンドThe Programの『Songs For a Broken Hard Drive』 というCDです。

いきなり話が逸れるんやけど、ランカスターといえば、Motherboxのコンピに収録されていたBrom Bonesというバンドがいる。Cruzianな青臭いポップパンクが好きな人も好きなんじゃないかな。自主でCDを出しててぼくも探しているけど古い作品は全く見かけない。Brom Bonesはもう結成から30年になるが今なお現役で活動中。いまも新しいアルバム作っているみたい。ちなみにオリジナルメンバーにはパワーポップパンクバンドStiletto BoysのWolfe兄弟(R.I.P. Sean)がいたとのこと。Stiletto Boysもマジ素晴らしいバンド。

さて、The Programが活動当時に唯一残した2003年リリースの9曲入りアルバム。いちおう自主で出したみたいだけど、流通はSense FieldやSerpicoなどをリリースしていた同郷のレーベルCI Recordsが担当している。本作を初めて聴いたときは正直あまりパッとしなかった。参考にできるレビューや事前情報がほとんどなく半信半疑で手に取った音源だから仕方ないかなとも思ったけど、何度も聴いているうちにクセになってきたわけ。

全体的に若干渋い作風のポップパンク/メロディックということで、一瞬にして心を鷲掴みにされる感覚はなくやはりじわりじわりとくる。曲ごとにわりと雰囲気が異なるところが最初は中途半端に感じられてこのバンドの持ち味をつかめずにいたけど、よくよく聴くと即効性はないもののしっかりとツボを突いていて、"Don't Go"のようなよりキャッチーなポップチューンから"Better Days"や"Situation"といったより陰りあるエモーショナルなナンバーまでそれなりに振り幅のある曲が入ってるし、そのショボめのサウンドも相まって自分にとって愛くるしい作品であることが徐々に明らかになっていった。総合的に見てふつーにわいの好きなやつやった。結局このときに注文したいくつかの音源のなかで本作が最もお気に入りになった。たぶんもっと早く、それこそリアルタイムで手に取っていたらもっと思い入れのある作品になっていたかも。

 

15年以上前の音源をこのタイミングで手に入れたことに因果的なものがあるのかどうかはわからない。しかしながら、こんなものをつい先日見つけてしまった。

 

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なんとThe Programの新譜!『Welcome』と題されたニューアルバム!

いやーこれは予想していなかった。もう活動してないと思っていたから。しかもリリースされたのが2019年9月13日。ついこないだやんってことなんやけど、実は先に書いたThe ProgramのCDをぼくが注文した日もちょうど同じで9月13日だった。たいしたことではないかもやけどちょっとおもしろい偶然やなぁと思った。

本作は現状としては各種音楽配信サービスにて利用可能な状態となっている。でもこのリリースに関して詳しいことはわからんくて、曲名やレーベル名などの情報を手がかりに探してみたものの全然出てこない。じゃあそもそもなぜこの作品があの同じThe Programによるものだとわかるかというと、2015年にランカスターで行われた一夜限り(?)の再結成ライブの映像がYouTubeにアップされていて、そこで演奏されたいくつかの曲とこのアルバムに入ってる曲が一致してるから。このリリースにまつわる経緯やバンドの状況についての記述は自分には見つけられなかった。

そんな前置きはいいとして。このアルバムに関して最も驚いたのはその内容。自分にとっては端的にめちゃくちゃ良かった。前作のような感じを予想していたのだけど、もちろん根幹部分は変わらないながら、今作はまた異なる味わいを持つアルバムに仕上がっている。何よりもまず耳を惹きつける伸びやかなメロディー、いっそう感情的にそれを歌い上げるボーカル、これまでになく軽快で突き抜けたサウンドが気持ちいい。陰りを纏った緊迫感のある展開を見せることもあれば、ウキウキするくらいキャッチーだったり、切なさ全開で一気に泣かせにきたり、最初から最後まで感情がひとところに落ち着くことなく揺さぶられる、そんな感じで聴き入ってしまった。エモーショナルでエネルギッシュだけどアグレッシブじゃなくてすごくポップな作品。ぼかぁ好きですよ!