ザぷろぐらむ

10月ですか、そうですか。早ぁ。

先月、もともと欲しい音源があってそれを注文するついでに買った音源。

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アメリカのペンシルヴァニア州のランカスターで活動していたメロディック/ポップパンクバンドThe Programの『Songs For a Broken Hard Drive』 というCDです。

いきなり話が逸れるんやけど、ランカスターといえば、Motherboxのコンピに収録されていたBrom Bonesというバンドがいる。Cruzianな青臭いポップパンクが好きな人も好きなんじゃないかな。自主でCDを出しててぼくも探しているけど古い作品は全く見かけない。Brom Bonesはもう結成から30年になるが今なお現役で活動中。いまも新しいアルバム作っているみたい。ちなみにオリジナルメンバーにはパワーポップパンクバンドStiletto BoysのWolfe兄弟(R.I.P. Sean)がいたとのこと。Stiletto Boysもマジ素晴らしいバンド。

さて、The Programが活動当時に唯一残した2003年リリースの9曲入りアルバム。いちおう自主で出したみたいだけど、流通はSense FieldやSerpicoなどをリリースしていた同郷のレーベルCI Recordsが担当している。本作を初めて聴いたときは正直あまりパッとしなかった。参考にできるレビューや事前情報がほとんどなく半信半疑で手に取った音源だから仕方ないかなとも思ったけど、何度も聴いているうちにクセになってきたわけ。

全体的に若干渋い作風のポップパンク/メロディックということで、一瞬にして心を鷲掴みにされる感覚はなくやはりじわりじわりとくる。曲ごとにわりと雰囲気が異なるところが最初は中途半端に感じられてこのバンドの持ち味をつかめずにいたけど、よくよく聴くと即効性はないもののしっかりとツボを突いていて、"Don't Go"のようなよりキャッチーなポップチューンから"Better Days"や"Situation"といったより陰りあるエモーショナルなナンバーまでそれなりに振り幅のある曲が入ってるし、そのショボめのサウンドも相まって自分にとって愛くるしい作品であることが徐々に明らかになっていった。総合的に見てふつーにわいの好きなやつやった。結局このときに注文したいくつかの音源のなかで本作が最もお気に入りになった。たぶんもっと早く、それこそリアルタイムで手に取っていたらもっと思い入れのある作品になっていたかも。

 

15年以上前の音源をこのタイミングで手に入れたことに因果的なものがあるのかどうかはわからない。しかしながら、こんなものをつい先日見つけてしまった。

 

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なんとThe Programの新譜!『Welcome』と題されたニューアルバム!

いやーこれは予想していなかった。もう活動してないと思っていたから。しかもリリースされたのが2019年9月13日。ついこないだやんってことなんやけど、実は先に書いたThe ProgramのCDをぼくが注文した日もちょうど同じで9月13日だった。たいしたことではないかもやけどちょっとおもしろい偶然やなぁと思った。

本作は現状としては各種音楽配信サービスにて利用可能な状態となっている。でもこのリリースに関して詳しいことはわからんくて、曲名やレーベル名などの情報を手がかりに探してみたものの全然出てこない。じゃあそもそもなぜこの作品があの同じThe Programによるものだとわかるかというと、2015年にランカスターで行われた一夜限り(?)の再結成ライブの映像がYouTubeにアップされていて、そこで演奏されたいくつかの曲とこのアルバムに入ってる曲が一致してるから。このリリースにまつわる経緯やバンドの状況についての記述は自分には見つけられなかった。

そんな前置きはいいとして。このアルバムに関して最も驚いたのはその内容。自分にとっては端的にめちゃくちゃ良かった。前作のような感じを予想していたのだけど、もちろん根幹部分は変わらないながら、今作はまた異なる味わいを持つアルバムに仕上がっている。何よりもまず耳を惹きつける伸びやかなメロディー、いっそう感情的にそれを歌い上げるボーカル、これまでになく軽快で突き抜けたサウンドが気持ちいい。陰りを纏った緊迫感のある展開を見せることもあれば、ウキウキするくらいキャッチーだったり、切なさ全開で一気に泣かせにきたり、最初から最後まで感情がひとところに落ち着くことなく揺さぶられる、そんな感じで聴き入ってしまった。エモーショナルでエネルギッシュだけどアグレッシブじゃなくてすごくポップな作品。ぼかぁ好きですよ!