てぃるてぃど

最近わりと聴いてる最近の音源。

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カナダのバンクーバーを拠点にするTiltedのデビューEP。

普段だったらスルーしそうなジャケット写真なのになんとなく気になって聴いてみたら思いのほか自分の好みのやつだった。ぼくはBandcampでダウンロードしたが今のところフィジカル音源はないみたい。

調べてみたら、このバンドはGo It Alone, Blue Monday, Keep It Clearなどをはじめ長らくハードコアバンドをやってきた面々によるメロディックプロジェクトのようだ。あと80'sポストパンサウンドを現行で鳴らすSpectresで活動中のメンバーもいるみたい。

そんなTiltedによる4曲入りEP『Washed』は2020年リリースにもかかわらずまるで90年代に突入した頃のような雰囲気を感じさせる作品。パンク/オルタナティブロックを経てシューゲイズやグランジといった言葉で語られるようなバンドが台頭してくる時代を想起させるギターサウンドに思いっきり漂ってくるBob Mouldな香り。本人たちもSugarやSwervedriverの名前を挙げている。そのどちらもしっかりと聴き込んだことのないぼくなんかはなんとなくMidway Still辺りが頭に浮かんだわけだけど。Husker Duはもちろん。ともかく本作はのっけから繰り出される轟音メロディックサウンドに胸が熱くなる。4曲ともそれぞれ良いが正直もっと聴きたいので願わくばこれっきりにならずに続けてほしいな。

 

てかそもそもSugarに"Tilted"って曲があるんだね。ってことはバンド名もそこから拝借したんだろうね。ってことでYouTubeでSugarの"Tilted"を聴いてみた。うわ、めちゃくちゃええ曲やな。ほんで同じく"Come Around"って曲も聴いたんやけど、TiltedのEPの2曲目"Alarms and Sirens"がこの曲にクリソツやんか。Sugarに関しては手始めに買った『Copper Blue』が自分にしっくりこなかった経験からこれまで避けてきたけど今だったら楽しめるようになってるかも。CD売ってもうたけど。

 

余談だけど、現在アメリカのシアトルを拠点に活動するSupercrushのMark Palmさんも元Go It AloneやKeep It Clearだそうで。Tiltedの面々が元バンドメイトに触発されてああいったメロディックなバンドをやりたくなったのかどうかは定かではないけど。Supercrushも90'sなメロディックギターを鳴らすバンドだけどもっと甘酸っぱいポップセンスを詰め込んだサウンドでそちらも良い。

パクチー

前の記事で、J ChurchのLanceさんがやってた宅録プロジェクトCilantroのテープが世に出てほしいなんて書いたけど、最近そのテープの曲がまるまるYouTubeにアップされてた!てっきり出てないと思ってたけど、Lanceさんの生前にすでに世に出てたんやね。タイトルは正確には『Broken Melody』やったんか。(ぼくが頼んだわけではないけど、)アップしてくださってありがとうございます!

 

それ以前に出てたCilantroの『Amounts Of Nothing』というテープも同じくアップしてくれてる。これらの曲はJ Churchのいくつかの音源にまたがって収録されてるので聴いたことあるけど、もともとはCilantroの曲っていう位置づけやったってことかな。

 

このほかには『Empty Soda Can』と『Sexy Sadie』という2枚の7"がリリースされてるが、後者は限定20枚のレースカット盤らしいので、今後ぼくが手に入れるのは無理っぽい。だれかどこかに曲をアップしてくれないかな?

くいっくすてっぷ

昨年末にAct Your Age RecordsのBandcampを見つけたけど、Act Your Ageから7インチとアルバムを出してたQuick Step ManeuverのBandcampもできてたよー。

残念ながら7インチの曲はアップされてないけど(ヘッダー画像はジャケの写真を使ってるのに)、アルバムと2001年のツアー用EPの曲が聴ける。こんなEPあったんやね。いつのまにかキーボードが加入して、インディーロックっぽくなってる。初期衝動にあふれた7インチの泣き虫ポップパンクから考えると、短期間でだいぶ落ち着きのあるサウンドに変わったんやね。

くろうじゃあ

現在Slap Of Realityで活動するメンバーがかつてやっていたThe Sophomore EffortがまだClosureと名乗っていた頃の曲が聴けるBandcampあったよ。

 

Manasota Music SceneというBandcampページに、今となってはなかなか目にすることのない90〜00年代初期頃のフロリダ南西海岸サラソタ周辺地域のバンドの音源がアーカイブとしていくつかアップされている。

よんじゅうなな

今日は4月7日ということで、4と7をつなげたら47だという安易なこじつけから、アメリカのSleeping Under 47を紹介。

SU47は、シカゴ大都市圏内のディ・キャルブっていう町の出身で、2001年に結成されたパンクバンド。休止期間を挟みつつ、細々とではあるけれど現在でも活動を続け、これまでにアルバムを2枚、(デジタルオンリーの?)EPを2枚リリースしてる。

このブログをチェックしてくれてる数少ない人に特に聴いてほしいのが、2003年に録音された1枚目のアルバム『Dying In The Past』。これがもう笑ってしまうくらいのFifteenっぷり。ギターの刻みや曲展開から、メロディーや歌い方、下手したら歌詞までパクってるんちゃうかなってくらい。Fifteenファンの人でも、バンドの名前を伏せて初めて曲を聴いたら、「あれっ、Fifteenにこんな曲あったっけ?」ってなるかも。そりゃ本家にはかないっこないけど、ここまで潔いほどに影響を隠さない作品も珍しいと思うので聴いてみて。10曲目の"Valentine"とかすんごくかっこいいから。

次作の2ndアルバムはFifteenまんまではなくなり、Rancidからの影響なのか熱いサウンドに変化してる。そっちはそっちでAmerican Steelみたいでかっこよい。

ふぃじかる

今んとこフィジカルでのリリースがないと思われる2013年から2014年頃の音源。たぶんBandcampにしかないものもある。

 

BUGSYの最初で最後の音源『KIDS』。軽やかで爽やかながらどこか憂いを帯びた蒼いメロディーに心を揺さぶられるメロディックパンク/インディーロック。今作はバンドのデビュー作として当初CDでリリースされる予定だったけど、結局出ないままバンドも活動を止めてしまった。2012年から2014年の短期間で終わったバンドがそっとアップした音源なのでほとんど注目されなかったけど、自分の他にもこういうの好きな人いるんじゃないかなぁと思って書いている。ところでBUGSYのメンバーがかつてやっていたMXSはよりいっそうエモーショナルな哀愁が沁みる自分のオールタイムフェイバリットなバンド。MXSはアルゼンチンにて1991年から2003年まで活動。解散後にメンバー2人がスペインへ移り住み、そこでThe Rockweilersを結成して2004年から2011年まで活動。そのまま続いてBUGSYをやったのち、現在はDave Smalley & The BandolerosとNickoldsonに分かれて活動中。

 

The Chantey Hookのラスト作となった1stアルバム『Floating in the Frequency』。今作はCDEPや7インチに続く待望のフルレングスだったわけだけど、2014年の暮れにBandcampにアップされたきり今にいたるまでCDやレコード等ではリリースされていない。バンドも2015年末以降は動きを止めている。アルバムは表題曲をはじめ良曲を備えた聴きごたえのある作品で個人的には気に入っている。これまで以上にLeatherfaceやSnuffからの影響が顕著に感じられ、アメリカのバンドながら所謂UKメロディックに通じる音楽性を持っており、熱いしゃがれ声ボーカルのアグレッシブなサウンドは力強いばかりではなく繊細さもある。思わずシンガロングしてしまったり、同時にどこか郷愁を呼び覚まされるようでうら寂しくなったり。ところでLatebloomerやSuperChinchillaRescueMissionといったThe Chantey Hookのメンバーが昔やっていたバンドも好き。SCRMはSnuffy Smile招聘で来日したことがあるみたいだけどぼくは見たことない。

 

INDIGOの3枚目のアルバムとなる『From the Heart Of the Boot』。Farside好きに是非とも聴いてもらいたいと個人的には思ったりもする激渋哀愁メロディックパンクの隠れ名盤。でもこのバンドが3rdアルバムまで出しているなんてつい最近まで知らなかった。てかINDIGOのことはSeed'n'Feedのメンバーによるイタリアのバンドだということと1stアルバムのジャケットのイメージがなんとなく頭に残ってたくらい。このバンドは2作目まではもう少しエモ/ロック寄りな感じで、いま聴くと良いなと思える曲もあるけど当時の自分にとってはそこまで好みじゃなかっただろう。そこいくと2013年リリースの3作目では90年代に折り返したようなメロディックパンクへ路線変更していて、こちらはリアルタイムで出会っていても自分は見事にハマってると思う。逆に過去作の方が好きって人も当然いるでしょう。歌詞に関しては1stアルバムは英語とイタリア語、2ndは全編イタリア語、3rdは全編英語となっている。3rdアルバムはCDリリースないと思うけどいちおう2ndはCDあるみたい。